2018年!0月1日から、第99回NHK連続テレビ小説「まんぷく」が始まります。
今や、食生活になくてはならない存在であるインスタントラーメンを開発した安藤百福(あんどうももふく)さんと奥様である安藤仁子(あんどうまさこ)さんの二人をモデルとした夫婦の物語です。
この作品の脚本家として抜擢された福田靖(ふくだやすし)さんは、あのNHK大河ドラマの龍馬伝や、大ヒットドラマのHEROを手がけた方と言うではないですか!
そんな福田靖さんの今までの実績や、持ち味、脚本の魅力に迫っていきたいと思います。
HEROで脚本家として独り立ち
福田靖さんは1962年生まれで今年56才になります。
山口県徳山市(現周防市)で生まれ、明治学院大学進学のために上京しました。
その後、大学を中退し、劇団主宰を経て1995年10月7日から1996年3月30日までテレビ朝日系列のドラマBLACK OUT(ブラックアウト)で脚本家としてデビューをします。
BLACK OUTでは共同脚本家として、他の4人の脚本家と脚本を執筆し、全12話の中で1話、3話、5話を担当しました。
その後、いくつもテレビドラマの脚本を手がけていき、救急病棟24時シリーズの第1シリーズ(1999年放映)も共同脚本家として、2話、7話、最終話の脚本も手がけます。
そして、ついに2001年にあの平均視聴率34.3%という大ヒットドラマHEROを手がけることになったのです。
HERO第1シリーズでも共同脚本家としての参加でしたが、全11話中の8話分の脚本(1話分のみ共同執筆)を担当し、ドラマを大ヒット作品に仕上げました。
この頃の事を、福田靖さんはこのように語っています。
僕は「HERO」で脚本家として仕事できるようになったんです。
(第1シリーズの時は)僕自身がほとんど無名に近いときに起用されて、まったく期待されてない状態だったんです。書いていくうちに採用されてメーンになっていったんです。
このHEROでの成功体験を大きなステップとして、翌年2002年4月から6月までフジテレビで放映された「ウエディングプランナー SWEETデリバリー」で初の連続ドラマ単独脚本家となります。
それからは、ほぼ単独脚本家として活躍します。
救命病棟24時の2002年1月1日のスペシャル、2005年1月から3月放映の救命病棟24時第3シリーズ、2006年7月放映のHERO特別編、2014年7月から9月放映の第二期HERO、そして2015年7月公開の劇場版HEROに繋がっていったのです。
群像劇を多く手がける脚本家
福田靖さんは、群像劇を多く手掛けてきています。
その群像劇って何だろう?と思われる方も多い事と思います。
色々調べてみたところ、しっくりと来る説明がありました。
「劇」とついているが演劇に限らない。
「それぞれの物語」を持った複数の登場人物によって進行していく創作物の総称。
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ドラマには、必ず主演がいますが、主人公はもちろんのこと、その周りを囲む人物たちにもそれぞれ物語があるわけですあから、登場人物がそれぞれの持ち味を披露してくれるドラマを作ってくれる脚本家と言っても良さそうです。
確かに、HEROでも、主演の木村拓哉さん演じる久利生公平(くりうこうへい)検事の魅力もさることながら、松たか子さん、阿部寛さん、大塚寧々さん、勝村政信さん、八嶋智人さん、 小日向文世さんなど、個性的なキャラクターの登場人物がドラマをより魅力的にしてくれていました。
2018年10月1日から放映開始のNHK朝ドラ「まんぷく」は、ヒロインの今井福子(安藤サクラさん)とその夫である立花萬平(長谷川博己さん)の二人が、戦時中から、戦後、そして平成という激動の時代を駆け抜けていった物語ですから、多くの登場人物と巡り会い、そのストーリーが展開されていく筈です。
その一つ一つのストーリーが厚みを持って、私たちを楽しませてくれるのではないかと、大きく期待できそうです。
福田靖さんの代表作
福田靖さんの代表作は、HERO、救命病棟24時以外にとどまりません。
フジテレビ制作によって2004年に伊藤英明さん主演で公開された映画「海猿ウミザル」、2005年7月から9月にフジテレビで放映された連続ドラマ「海猿 UMIZARU EVOLUTION(ウミザルエヴォルーション)」、2006年5月に公開された第二作映画「LIMIT OF LOVE 海猿」、2010年9月後悔の第三作映画「THE LAST MESSAGE-海猿」、その続編であり最終作となった2012年7月に公開された「BRAVE HEARTS 海猿」、これらの海猿シリーズは全て福田靖さん脚本の作品です。
そして、東野圭吾さん原作の推理小説「ガリレオシリーズ」を実写ドラマ化したフジテレビの「ガリレオ」も手掛けました。
2007年10月から12月に放映されたガリレオ第1シリーズでは共同脚本家として、 2008年10月4日に公開された映画「容疑者Xの献身」と、同じ日の!0月4日に放映された「ガリレオΦ(エピソードゼロ)」では単独脚本家として作品を作り上げました。
その後、2013年4月から6月にかけて放映されたガリレオ第2シリーズに、共同脚本家、ドラマ終了直後の2013年6月29日に公開された映画「真夏の方程式」では単独脚本家となっています。
福山雅治さん演じる湯川学(ゆかわ まなぶ)が主演のガリレオシリーズには常になくてはならない脚本家として作品に携わっていたのですね。
そのガリレオシリーズの中間となる時期に手掛けたのが、2010年1月3日から11月28日まで放映された、あのNHK大河ドラマ「龍馬伝(りょうまでん)」です。
幕末の英雄として、根強いファンの多い歴史上の人物坂本龍馬の一生を描いたこの大河ドラマによって、2010年は日本中が龍馬ブームになりました。
龍馬伝の主演も福山雅治さんですから、ガリレオシリーズも含め、福山さんの代表作の陰には、福田靖さんの脚本があったと言えそうです。
そして、NHK朝ドラ「まんぷく」の直前の作品が、2017年10月14日から12月16日まで日本テレビ系列で放映された、嵐の櫻井翔さん主演の「先に生まれただけの僕」です。
櫻井翔さんが演じる主人公、鳴海涼介(なるみ りょうすけ)は総合商社樫松物産で商社マン。
ある日、系列の私立高校の校長として出向を命じられ、戸惑いながらも、教育の現場を変えていくというドラマでした。
35歳の商社マンが高校の校長という、一風変わった設定のこのドラマは、福田靖さんが原案から脚本までオリジナルで手掛けたものです。
監督から与えられた「若者の貧困」というテーマに基づき、自身としては高校時代には習わなかった社会のルールやお金のことについて取り組んでいこうと、生まれた企画だったそうです。
教師の労働問題や、教師主体ではなく生徒参加型の学習方法アクティヴラーニングへの取り組みなど、現代の高校の抱える現実の問題を浮き上がらせたこのドラマは、オリジナル社会派エンターテインメント作品として高く評価され、第10回コンフィデンスアワード・ドラマ賞の脚本賞を受賞しました。
コンフィデンスアワードドラマ賞とは、オリコンのグループ会社で、出版事業であるオリコン・エンタテインメントが発行する週刊エンタテインメントビジネス誌「コンフィデンス」の主催する日本ドラマの賞です。
2015年に設立され、シーズン毎に審査が行われ、年間4回の開催になっています。
このように、福田靖さんの一連の代表作を見てみると、舞台は様々で、病院、法廷、幕末、レスキュー現場、推理小説、社会派ドラマとかなり幅広いですが、やはり大きな共通点は、主人公はもちろんのこと、周りの人物がきめ細かに描かれていることではないでしょうか?
ご本人は、三谷幸喜さんや、宮藤官九郎さんのような独特の世界観はなく、福田ワールドはないと仰っていますが、だからこそ余計に人物像が浮き上がってくるドラマ作りになっているようです。
一風変わった脚本作り
脚本家のお仕事というと、パソコンに向かったり原稿用紙に向かったりと、机に座って執筆するというイメージを抱きがちですが、福田靖さんは、口述筆記という脚本作りを行なっています。
登場人物の台詞や動きを、自ら表現し、それをアシスタントがタイプす流という形を取っているそうです。
そのことを知った時、変わった脚本作りに驚きましたが、台本というのは、文字通り本ですが、実際には俳優陣が演じる動画となるわけですから、実はとても理にかなった手法なのかもしれないと感心してしまいました。
自分で台詞を言って、自分で動く・・・そうすると、より真実味のある生き生きとした脚本に仕上がるのかもしれません。
NHK朝ドラ挑戦への抱負
2018年10月1日から始まるNHK連続テレビ小説「まんぷく」のヒロインは、インスタントトラーメンを発明した日清食品の創業者安藤百福氏の妻である安藤仁子さんをモデルにしています。
安藤百福さんに関しては、多くの文献もあり、1999年大阪府池田市にインスタントラーメン発明記念館が開館していますし、2011年9月17日には横浜市中区のみなとみらい21地区に安藤百福発明記念館(カップヌードルミュージアム横浜)が開館しています。
安藤百福さん自身については、数多くの資料が存在するのに対し、その夫人である仁子さんについての文献や情報、資料は皆無に等しく、福田靖さんは、一からオリジナルで創作するしかないと苦笑いしていました。
ネットを探してもほぼ情報はなく、東京都世田谷にある大宅壮一文庫に行っても資料は全くなかったのです。
安藤百福さんは、98才(2007年1月5日没)で亡くなられ大正生まれとしてはかなりのご長寿でしたが、妻の仁子さんも94才(2014年3月19日没)という負けず劣らずのご長寿でした。
これだけ長生きなさり、なおかつ一般家庭の食生活を一変させたインスタントラーメンを開発した創業者の奥様について何一つ詳しい情報がなかったのです。
ですから、実在の人物であるのにも関わらず、様々なエピソードはフィクションになるそうです。
NHKの朝ドラと言えば、大河ドラマよりも更に、様々な年代が観るドラマです。
そのせいもあり、このように語ってらっしゃいます。
これは本当に老若男女みんなが観るんだと言われると、なかなかプレッシャーがきつくなります(笑)
20-30代を意識しすぎるとメインの50代の層が離れてしまうので難しいのですが、今回は戦時中から始まるので、自分の親世代が観るような意識で書いています。
でも僕の書くものは必ず、20-30代に共感される要素が入ってきますから、あまり意識しなくていいかなと思っています。作戦や展望はなくてもなんとかなるかな、と思えるタフさは身についています。
やはり今やベテランの売れっ子脚本家ですから、頼もしい限りです。
そして、朝ドラに不可欠なのが、ほのぼのとしたり、笑えるコミカルな要素です。
自分の書くものは、ユーモアやコメディーは不可欠です。
暗い話にはしたくないし、朝から視聴者の皆さんが楽しい時間を過ごせるドラマにしたい。
コミカル要素は52%くらいかな?
10月1日から始まるNHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」。
DREAMS COME TRUE(ドリカム)の新曲主題歌「あなたとトゥラッタッタ♪」とともに、毎朝NHKで8時から放映されます。
福田靖さんの描く、群像劇、様々な登場人物の生き生きとしたストーリー展開に期待です。
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