ソウルの三清洞(サムチョンドン)と言えば、古き良き韓国情緒の残るレトロな街でありながら、お洒落なカフェや、ファッション店などが立ち並ぶ街です。
雰囲気があり、散策するだけでソウルの良さをたっぷり感じることの出来るこのエリアに、格安ミシュラングルメ「三清洞スジェビ」があるのです。
2017年、2018年と連続してミシュランガイドに紹介されたこの名店では、格安で美味しいソウルグルメが堪能出来ます!
人気の観光名所である朝鮮王朝時代の宮殿だった「景福宮(キョンボックン)」もほど近いので、観光の前後のランチなどに最適です。
三清洞とは?
三清洞とは、ソウル特別市の漢江を隔てて北側にあり、朝鮮時代の王宮であった景福宮と、骨董やアートの街である仁寺洞(インサドン)に挟まれたエリアに位置します。
王宮が近いこともあり、朝鮮王朝時代の貴族、両班(ヤンバン)が住んでいた韓屋(ハノク)という伝統的な韓国式家屋も多く、情緒あふれる街です。
韓屋(ハノク)を改装した、お洒落なレストランやカフェなども多く、また個性のある小さなファッション店も立ち並び、散策するにはとても気持ち良いエリアです。
土日は、ソウル地元の人たちも遊びにくるエリアでもあるので人も多くなりますが、そうは言っても明洞のような人混みとは異なり、韓国情緒を満喫できる散策コースです。
地図の青い印が三清洞スジェビです。
緑のラインは、地下鉄3号線安国(アングク)駅からのお勧めルートです。
地下鉄3号線安国(アングク)駅では6番出口を出て、道を渡ったところからこの緑のルートに入れます。
このルートから三清洞スジェビより少し北側まで部分が「三清洞(サムチョンドン)」と言われるエリアになります。
安国(アングク)駅から三清洞スジェビまでの距離は1kmちょっとで、ゆっくり散歩すると15分以上はかかりますが、お店に行く目的のみで歩くのではなく、街を楽しみながらぶらぶら歩きをして頂きたいルートです。
三清洞の北側には大統領官邸である青瓦台(チョングヮデ)もあり、まさに由緒正しいエリアです。
三清洞スジェビのスジェビとは?
スジェビとは、小麦粉をこねてちぎり、スープに入れて煮込んだものをいいます。
つまり、日本でいうと「すいとん」になるわけです。
日本ですいとんというと、戦時中の代用食のイメージが強く、美味しい食べ物のイメージがあまりないですよね?
実際に、私もそうでした。
この三清洞スジェビ(サムチョンドンスジェビ)の事をガイドブックで見ても、気持ちがそそられなかったのはそういう訳でした。
どうして、そんなイメージを持っていたのに、この三清洞スジェビに足を運んだかというと、それは韓国人のグルメの人からの情報でした。
三清洞に行ったら、三清洞スジェビ!
そう聞いて、「えっ?そうなの?」と思い、三清洞に行ったときに寄ったら、なんとまあ美味しいこと!
「すいとん」の持つ、イメージが吹き飛び、こんなに美味しいものなんだと感動したのです。
スープがスッキリとしつつ、コクのある味で、癖になります。
三清洞スジェビのスープは、カタクチイワシと浅利で出汁を取っているそうです。
特にカタクチイワシは、오사이 멸치 (オサリミョルチ)を使っており、オサリとは旧暦の5月前後の大潮の時に取れる初物の海産物をいいますから、出汁の原材料にも相当なこだわりを持っているようです。
また、スジェビは、小麦粉を練ってちぎったものをいいますから、小麦粉の匂いがしたり、くにゅくにゅした食感があったりする事も多いのですが、三清洞スジェビのスジェビはツルンとワンタンのように食べれます。
これも、生地に油と塩を練り込んでいる手法を取っているからだそうで、単なる「すいとん」とは差別化されています。
因みに、三清洞スジェビの初体験のあと、他のスジェビ店で何度かスジェビに挑戦してみたのですが、三清洞スジェビは別格という事を思い知りました。
ですから、三清洞に行ったら、三清洞スジェビ!という事だけでなく、ソウルのスジェビなら三清洞スジェビのみ!とも言えると思います。
三清洞は、人気観光地でもあるので、もちろん観光客も多いのですが、この店のすごさは、ソウルに住む人たちからも愛されている事だと思います。
佇まいも、ミシュランガイドに載った店というより、昔ながらのソウルのお店という感じです。
ソウルに住む生粋の韓国人から支持される伝統の味があるからこその人気店であり、ミシュランガイドに紹介されてから更に注目が集まっています。
三清洞スジェビのメニュー
このメニューを見ても、観光客に媚びていないのが一目瞭然ですね・・・。
左から順にご説明します。
*2018年9月現在、10,000ウォンは約990円です。
수제비(スジェビ) 8,000ウォン
・・・これが、お店の名前にもなっているスジェビです。一人前が8,000ウォンです。
2人前で頼むと、このような大きめの壺で、出てきます。
찹쌀 새알 옹심이 (チャプサル セアル オンシミ)11,000ウォン(1人分)
・・・これは、11,000ウォンが1人分の値段ですが、2人分以上で注文しなくてはいけないメニューです。
どんなものかというと、中に入っているのが、スジェビではなく、もち米の白玉が入っている料理です。
スープには荏胡麻の粉が入っているので、とろみがついています。
これもなかなか、食べれないメニューですから、是非お勧めです。
モチモチした白玉と、あっさりとしているけどコクのあるスープにとろみがついていて・・・。
2人で三清洞スジェビに来た場合、なかなかメニューの選択が難しくなるのも、このオンシミの存在のせいでもあります。
3人以上であれば、心おきなく、スジェビとオンシンミを頼めるし、また、二度目の来店であれば、色々と試せるのですが・・・。
まあ、つまり、悩む価値のある美味しさと言えますね。
감자전(カムジャジョン) 8,000ウォン
・・・ジャガイモのお焼きです。ジャガイモを擦って焼くというシンプルな料理なのですが、本当に美味しいです。
파전(パジョン) 14,000ウォン
・・・ネギのジョン(いわゆるチヂミ)です。白い部分の多い葱ではなく、ワケギを使ったジョンです。
実は、このメニューはお勧めできません。値段を見ても14,000ウォン、つまり日本円で約1,400円もします。
大きいからと言われればそれまでですが、三清洞スジェビに来てまで食べる必要はないと思われます。
녹두전(ノクドゥジョン)14,000ウォン
・・・緑豆の粉のジョンです。広蔵市場(カンジャンシジャン)で有名なピンデットクと同じと思ってください。
小麦粉を使ったジョンとは違い、厚みのあるお焼きで、なかなか食べ応えのあるものです。
そして、このメニューも三清洞スジェビに来てまで食べる必要のないものと思います。
勿論美味しいのですが、他の店と比べて、そこまでの違いがあるわけではありません。
쭈꾸미(チュックミ)18,000ウォン
・・・イイダコです。このメニューもかなり疑問です。
イイダコの辛く炒めた料理と思われますが、一度もチュックミをこの三清洞スジェビで食べている人を見たこともなく、調べても、三清洞スジェビのチュックミは出てきません。
値段も高いですから、無視しましょう。
동동주 (ドンドンジュ)3,000ウォン 반되(パンデェ・5合のこと)
・・・マッコリにも似た白濁したお酒です。
米粒が浮いていて、発酵すると米粒がドンドン浮いてくることからドンドンジュと言います。
韓国では粉ものを食べるときには、マッコリかドンドンジュなので、ドンドンジュのみお酒として置いてあるのですね。
5合ですから、このようにドンと出てきます。
これで3,000ウォン、約300円ですから、格安です。
実は私自身、誘惑に負けて、ノクドゥジョンを注文したこともありました・・・。
でも、その経験からいくと、ジョン(日本ではチヂミと言いますが)に関しては、食べる価値があるのはカムジャジョンのみです。
そして、このカムジャジョンも、他の店とそこまで違うか?と言われると、そうでもない気がします。
ですから、三清洞スジェビに行ったら、やはり看板メニューである「スジェビ」と、もう一つの素晴らしいメニューの「オンシミ」しかありません!
お店に行く人数でどのメニューを食べるか・・・悩みどころです。
お腹を空かせていくのなら、2人でもスジェビを一人前、オンシンミを2人前で行けるかも?!
3人以上なら、迷うことなく、スジェビとオンシンミを両方注文ですね!
3人でスジェビ一人前と、オンシンミ2人前を注文した場合、30,000ウォンですから、一人10,000ウォンです。
1人当たり、日本円でいうと1,000円弱という格安で、ミシュラングルメを味わえるのですから、是非とも体験してみてください!
どうしても誘惑に負けて(前述の私のように)、ジョンを頼んで食べきれなかった場合には、持ち帰りをしてみましょう。
韓国は持ち帰り文化なので、頼めば必ず(生ものは無理ですが)、嫌な顔一つせずに包んでくれます。
その時には、残ったものを指さして、「이것 포장해 주세요 イゴッ ポジャンヘジュセヨ」といえば大丈夫です!
スジェビなどもポジャンしてくれるかもしれませんが、恐らく味は落ちてしまうと思うのであまりお勧めは出来ませんが、カムジャジョンなどは問題ないので、もし食べきれなかったら、韓国語に挑戦してみましょう!
ホテルに戻っての夜食などにも出来ますしね!
営業時間・定休日・混雑時間帯
三清洞スジェビは、韓国には珍しく年中無休です。
人気店でも、旧正月や秋夕(チュソク)にはお休みの場合が多いのですが、やはり景福宮(キョンボックン)など、ソウル屈指の観光地が近くに控えているせいか、お休みはありません。
住所:ソウル特別市 鍾路区 三清洞 102 (서울특별시 종로구 삼청동 102)
電話:02-735-2965
営業時間:11:00~21:00(ラストオーダー20:50)
メニューとしてランチ利用のお客様が多いので、混雑する時間帯は、12時から16時くらいです。
ミシュランガイドに掲載された事や、中国人観光客が増加していることもあり、時間を間違えると、外に行列ができている事もしばしば見受けられます。
韓国の検索サイトNaverによると曜日別の混雑時間帯は次のようになっています。
月曜日:15時
火曜日:12時
水曜日:13時
木曜日:16時
金曜日:15時
土曜日:13時
日曜日:13時
かなり、曜日によって混雑時間帯にバラツキがありますが、時間を有効に使って待たずに入るためには、早めの時間帯に行くのがベストのようですね。
「すいとん」なんて・・・と思っている方も、もしこの三清洞スジェビを試されたら、目がさめるような気持ちになるはず!
是非、韓国ならではのスジェビの老舗で、ミシュラン格安グルメを堪能して頂きたいです!
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