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日大アメフト部危険タックル問題を引き起こした独裁体制とは?フェニックスの未来は?


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2018年5月6日の日本大学と関西学院大学のアメリカンフットボール部の定期線で、危険なプレーが行われた件が、連日世間を騒がせています。5月19日には内田正人氏の監督辞任発表と謝罪会見、そして5月22日には、その危険プレーを行った選手の会見により、プレーは監督、コーチの指示だったという事が明らかになりました。
今、その存続も含め、今後の展開が注目されている、日大アメフト部。
そこで沸いてくる疑問は、そんな人物の率いる日大アメフト部が、どうしてそこまで大学アメフト界の中で東の雄となれたのか?そこまでしないと、東の雄にまでなれないのか?ということです。
改めて、日大アメフト部の過去の甲子園ボウル実績を見ていくと、実は、日大アメフト部の歴史の礎を築いたのは、内田正人前監督ではないもう一人の人物の像が浮かび上がってきました。
1940年に創部された日大アメフト部「フェニックス」の長い歴史と、その長い年月の中で育まれてしまった、巨大な権力構図が見え隠れしてきたのです。

内田正人日大アメフト部元監督のプロフィール

名前:内田正人(うちだまさと)

年齢:62歳

生年月日:1956年

出身:埼玉県

学歴:(高校)日本大学豊山高等学校(大学)日本大学に入学

職歴:大学卒業後に日本大学文理学部職員になる

内田正人氏は、日大豊山高校を卒業後、日本大学に入学し、アメリカンフットボール部に入部し、故篠竹幹夫監督の下で、アメフトに打ち込み、現役時代には、「ショットガンオフェンスの申し子」と言われたそうです。

1978年に日本大学を卒業とのことなので、1974年から1977年までの4年間在籍していたことになりますが、その4年間の甲子園ボウルの覇者は関西学院大です。(関学は1973年から1977年まで甲子園ボウル5連覇を果たしています。)
日大アメフト部は、この4年間のうち、1974年と1977年の2回、甲子園ボウルに出場していますが、その2回とも関西学院に敗れています。
その翌年の1978年からは、1982年の5年間は、日本大が甲子園ボウルを5年連続で制覇し、そのうち、1979年から1981年の4回の敗者は関学大です。

この結果を見るだけでも、日本大学と関西学院大学がアメフトにおいて、激しいライバル争いをしていたことは明白で、内田元監督自身も、選手の時代から、関学を激しくライバル視していただろうという事は容易に想像がつきます。



内田元監督は、日本大学を卒業後、母校である日本大学文理学部の職員となります。
また、アメフト部の指導にも力を入れ、故篠竹監督のもとでコーチを務めます。
そして遂に2003年、故篠竹監督が1959年から44年間勤め上げたアメフト部監督を辞任すると、内田正人氏が新たな監督として就任したのです。
その後、紆余曲折を繰り返しながら、2007年、2011年、2013年、2014年と甲子園ボウルへ駒を進めますが、いずれも関学に敗戦しています。
内田氏は2015年に一度監督を勇退辞任していますが、チームがリーグ4位という不振に陥ったため、昨年復帰、そして、その復帰1年目に、遂に2017年12月17日に関西学院大学を破り、甲子園ボウルで制覇し、全国一位に27年ぶりに輝きました。

一方、一大学職員から、その事務能力を発揮し、人事担当および男女共同参画担当の常務理事に就任するまで、キャリアを登りつめています。
日大のドンと呼ばれている日大相撲部総監督である田中英寿理事長から目をかけられ、日大における4大権力者であるとも言われています。
 つまり、アメフト部だけでなく、日本大学という日本における最大級のマンモス大学での権力も手にしている人物なのです。

今回の騒動の流れを整理してみましょう。

2018年5月6日、東京のアミノバイタルフィールドで開催された日大-関学大のアメリカンフットボールの定期戦で、パスを投げ終わったばかりの無防備状態であった関学大クオーターバック(QB)背後からタックルするという悪質な反則行為が、日大選手により行われました。第2・第3腰椎棘間靱帯(きょくかんじんたい)損傷」と診断されましたが、最悪の場合は車いす生活も余儀なくされたかもしれないという殺人タックルでした。
その定期戦のあと、このタックル動画などがSNSで拡散され、夜には関学アメフト部関係者も知ることとなったそうです。

その後5月10日に関学側は抗議文書を発送し、5月11日朝、日大コーチから電話があり、「今から当該選手を連れて謝罪に行きたい」という連絡があったそうですが、抗議文書を見ておらず、正式な回答や責任者の謝罪を求めていた関学アメフト部小野宏ディレクターは、その申し出を断りました。

5月12日、関学大アメフット部の鳥内秀晃監督らが兵庫県西宮市内で記者会見し、日大に対して反則行為についてのチームとしての見解や正式な謝罪を求める抗議文を送付したことなどを明らかにしました。

5月15日、関学大アメフト部は15日、日大アメフト部へ送付した抗議文への回答を受け取ったと明らかにしました。

5月17日、関学大アメリカンフットボール部の鳥内秀晃監督と小野宏ディレクターが記者会見を行い、「(当該行為に伴う)疑問、疑念を解消できておらず、誠意ある回答とは判断しかねる」と話し、より広く、この危険タックル問題が世間に知られることになりました。

5月19日、騒動勃発後、しばらく雲隠れしていた内田正人氏は監督辞任表明記者会見を行いました。
関西学院大学側に謝罪をし、反則問題については、自らの責任であるため、日大アメフット部監督を辞任することを表明しました。悪質プレーに対する指示については明確な回答はせず、現在のコーチ陣の一掃は考えていない、自身の大学での要職についての辞任も否定、挙句の果てには、相手方の関西学院を「かんさいがくいん」と何度も呼んでしまうという間違いをしてしまい、ひんしゅくを買いました。また、会見の場にピンクのネクタイで現れたことも、場をわきまえていないと批判を浴びました。

5月21日には、関学アメフト部QB、今回の悪質タックルの被害選手の父で大阪市議、奥野康俊さん(52)が21日、大阪府警池田署に被害届を提出し、大阪市内で会見を開きました。日大側に対しての怒りをあらわにし、日大の対応次第で刑事告訴も辞さないという構えを明らかにしました。

そして5月22日には、この危険タックルで関学アメフト部QBを負傷させた、日大アメフト部の宮川泰介選手が東京都内で記者会見を行い、コーチ、監督からの指示の方法について詳細に説明をしました。

78年にわたる(2018年現在)日大アメフト部の長い歴史の礎となった独裁制

日本大学のアメリカンフットボール部は1940年に創部しました。この日本大学フェニックスとしてチーム名が登録されています。選手やスタッフを合わせると200人近い部員を抱えている巨大な部です。

全日本大学アメリカンフットボール選手権大会の検証戦である甲子園ボウルには通算34回出場し、21回優勝しています。
また、日本国内の学生、社会人チームのトップを決める大会であるライスボウルへは5回出場しています。
1988年度から1990年度のライスボウルでは3連覇を達成しました。この3連覇というのは、大学生チームで唯一の記録であり、社会人チームでも1チームしか達成していない記録です。

この日大アメフト部の甲子園ボウルの歴史を紐解くと、通算34会出場、21回優勝(うち1955年と1984年は、関学との両校優勝)となっています。実はこの輝かしい成績の中で、内田正人前監督が甲子園ボウル優勝に貢献したのは2017年のたった一回なのです。

日大アメフト部には1959年から2003年までの44年間にわたり、監督として君臨した故篠竹幹夫氏という人物がいました。

<故篠竹幹夫監督のプロフィール>

名前:篠竹幹夫 (しのたけみきお)

生年月日:1932年8月29日生まれ(2006年7月10年死去。享年73歳

出身:神奈川県

学歴:日本大学卒業

職歴:日本大学教授

篠竹幹夫氏は、1955年(昭和30年)日大のエンドとして甲子園ボウル(大学選手権)初出場しました。
その年の甲子園ボウルの相手は関学でしたが、同点となり、史上初の両校優勝ではあったものの、日大アメフト部としては、甲子園ボウル初優勝を果たします。
卒業後,1959年(昭和34年)に日大アメフト部の監督となり,甲子園ボウル優勝20回,ライスボウル(日本選手権)優勝4回に導き、日大アメフト部の黄金時代を築きました。

鉄拳制裁も辞さないスパルタ指導で有名だったそうですが、その反面、ロシア生まれの名曲「百万本のバラ」を原語で歌うなどの繊細な趣味を持ち合わせる人物だったそうです。
「プレーの未熟さが反則につながる。だから基本練習が大事」という体育会指導者の鏡のような発言を記者にしたり、試合翌日のオフは門限5時という、箱入り娘以上の厳しい管理をしたことでも有名です。

いわゆる美談だけでなく、その過激なスパルタ方式がゆえに、他大学の学生にまで知れ渡るほどだったそうです。
かなりの独裁的な指導を行ってきた人物で、日大の中でも大きな権力を持ち、コー陣も振り回されることも多々あったようです。
その中で、最も内気なコーチの一人が、内田正人前監督と言われています。

この内田正人元監督のことを調べていると、あの会見のイメージとは異なり、実は内気な人物だったという話がよく入ってきました。

記者会見を行った宮川選手の話などからも、到底推し量ることのできない「内気」という表現….。

故篠竹監督から内田正人前監督の時代は、2015年から、少しの間内田氏不在の時期があったとしても、基本的には、60年弱も続いていたわけです。どれだけ、黄金時代を築いた日大アメフト部だったとしても、あまりにも長すぎる独裁体制ではないかと思えてなりません。

名選手からカリスマ指導者となった、故篠竹監督。そのカリスマ指導者のもとでの、名選手として育ち、コーチとして指導者の下積みを積み、次期監督となった内田正人氏。

二人とも、日大アメフト部の監督という地位だけでなく、巨大マンモス大学の権力者にまでなりました。
内田元監督は、恩師を超えよう超えたいという気持ちからエスカレートしていったのか、権力を身につけていく中で、内気だった性格に何か歪みが加わっていったのか….。
その真実は計り知れませんが、この日大アメフト部の歴史を振り返る限り、長い時間をかけて、膨らんでいった膿が、今回の事件で破裂したようにしか思えません。

日大アメフト部今後の行方


日本大学側は、5月15日、「意図的な乱暴行為を行うことなどを選手へ教えることはない」という見解を関西学院大学側からの講義文書に回答、示しました。そして5月24日までに詳しく事実関係を調査して再回答するとしています。
19日の日大内田正人前監督は記者会見において、反則行為の指示について「文書で回答する」と明言を避けました。

これに対して、22日の宮原選手の会見では反則行為を指示されたことを明らかにしました。

日大は、関西学院大に予定でいけば、5月24日までに、事実関係などを調査した結果をまとめて回答する意向ですが、22日の宮原選手の会見を受けて、日大がどういう回答をするのかが次の焦点となっています。

一方、日大アメフト部は、この騒動を受けて、予定されていた春季オープン戦を、他大学からすべてキャンセルされています。
この状況下では、致し方ない事ではあると思いますが、どうやらこの騒動は日本国内だけでは済まない状況になっているようです。
アメフトの本場である米国メディアでも大々的に取り上げられているのです。
宮川選手の謝罪会見も取り上げられており、「アメフトは、日本ではあまり多くプレイされているスポーツではなく、この問題になっている危険タックルは、野球、相撲、そしてgood mannerで有名なこの国の多くの人に衝撃を与えている」と報道されています。



ちなみにNew York Daily News の記事の中でさえ、Kwansei Gakuin University と記されています。長い間の宿敵である関西学院大学の固有名詞を「かんさいがくいんだいがく」と連発してしまったのは、一体なぜなのか・・・謎です。

ニュースでは、感情を抑えた表現になっていますが、今後、この内容がSNSでどのようにアメリカでも拡散されていくかは、想像もつきません。
単に日大アメフト部の問題だけでなく、日本のアメフト代表の世界に対する評価まで変わってしまわないかという恐れもあります。

日大アメフト部がその長い歴史に幕を閉じて廃部になってしまうのか?という声も聞こえてきますが、願わくば、アメフトを愛して懸命に練習を続けてきた現役選手たちや、その黄金時代に貢献してきたOBたちの、思い出や結束を阻むような結果にはなっては欲しくないです。

内田正人前監督は、謝罪会見において、自身の大学での職の辞任は、今回の反則行為問題とは別の話とし、またコーチ陣の刷新は考えていないと主張していました。
その状況では、結果的に、前面に出てこないとしても、内田正人氏の院政が行われるだけではないかという、懸念があります。

この長く輝かしい歴史をもつ日大フェニックスに、もう一度輝きを取り戻させ、そして、国内外に対して、スポーツを愛する人たちに、はっきりとした潔いけじめをつける為にも、抜本的な改革による解決策が望まれます。

 

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