2018年、平成最後の12月、師走となり、だんだんと慌ただしくなってきました。
もういくつ寝るとお正月・・・という時期になってきましたが、2019年のお正月には、どこに初詣に行こうかと悩んでいる方も多いかと思います。
そんな方々のために、お寺と神社の違いや、参拝の方法について分かりやすくまとめてみました。
そもそもお寺と神社の違いとは?
いつも行っているところとは別のところに行こう、いつもは初詣には行かないけど来年は行ってみようと思っている方々の中で、日本にお寺や神社がたくさんあるけど、どちらに行ったら良いのだろう考えている人も多いことと思います。
また、なんとなくは分かるけど、今更聞けない、聞かれても明確に答えられないお寺と神社の違い・・・。
せっかく日本に住んでいるのだから、その違いや歴史の基礎はおさえておきたいものですし、小さい子供や外国人に聞かれた時に、すっと答えられたら、カッコいいものです。
それでは、そもそもお寺と神社の違いとは何かというと、宗教の違いとなります。
お寺はインド、中国に起源を持つ仏教を祀り、ご本尊として仏像を据え、僧侶が仏法をおさめる為にあります。
ご本尊の仏像はお寺によって異なりますが、大日如来、薬師如来、釈迦如来などの如来像、聖観世音菩薩、文殊菩薩、地蔵菩薩などの菩薩像、不動明王などの像があります。
日本では、亡くなった方を仏葬し、位牌を祀り、仏壇に礼拝します。
もちろん、宗教が仏教ではない場合はこれには当てはまらないかもしれませんが、日本ではアンケート調査に基づくと、なんらかの信仰を持っていると確信を持って答える人は、人口の2−3割程度です。
日本に生まれ暮らしていると、自らを仏教徒という認識がなくても、初七日、四十九日、一年忌、三年忌などの法要を当然のように執り行う場合が圧倒的に多く、その法事、法要を行ってくれるのもお寺の大きな役目です。
実は、このような法事・法要は、起源がインド、中国である仏教ではありますが、日本独自のものなのです。
人は亡くなると七日おきに裁きを受け、極楽浄土に行けるかどうかが決まるというのが、初七日から四十九日までの追善供養のあらましですが、これはそもそもインドの仏教にはありません。
中国には民間信仰として、死後七日ごとに法要を行っており、インドから入ってきた仏教とこの民間信仰が交わり、その流れが日本に取り入れられ、更に独自の変化を遂げてきたものなのです。
神社は、その名の通り、神様を祀る場所です。
そして宗教としては神道になります。
神道とは、日本の宗教であり、開祖や具体的な教えもなく、神話や、八百万の神、自然や自然現象に基づく多数の神様を信仰するのが神道です。
神社の起源は磐座(いはくら、または いわくら)という神様が住む場所、そして入ってはいけない禁足地で祭事を行う為に臨時に建てられた祭壇であり、元々は常設のものではありませんでした。
神道においては、神と人間を結ぶための具体的な作法が祭祀であるとされ、その祭祀を執り行う場所が神社であり聖域とされています。
神道全体としてみると、様々な神様を信仰する宗教ですから、実に多くの分類があります。
現在では、一般的に神道と言うと、神社神道を指すことが多くなりました。
神社神道とは、神社を中心として氏子や崇敬者などの組織による祭祀儀礼を中心とする信仰形態です。
ここで、やっと私達の身近にある神社が出てきました。
神社の名称も様々ですが、伊勢神宮や明治神宮といった「神宮」と言う称号のついた神社は、数多くの神社の中でも特別に格式の高い神社となります。
出雲大社のように「大社」という称号を持つ神社もありますよね。
神宮・大社と言う称号のつく神社は天皇や皇室祖先神を祀っています。
「宮」と言う称号のつく神社も皇室を深い関係にある神社となり、天皇家の男の子(親王)をご祭神としてお祀りしていたりします。
また歴史上重要な人物をお祀りしている場合も「宮」の称号がついており、徳川家康をお祀りしている「東照宮」や菅原道眞をお祀りしている「天満宮」などが、それに当たります。
2019年は平成天皇が生前退位なさり、皇太子殿下が新しい天皇として即位なさります。
その皇位継承の祭祀として行う大嘗祭は、皇室神道の祭祀となります。
神道の場合、故人を法要する場合には、仏教のように初七日から四十九日、一回忌・・という周期とは異なり、10日祭、50日祭、一年祭、十年祭など年祭で故人を祀ります。
初詣はお寺がいいの?それとも神社がいいの?
初詣は、松の内といって元旦から1月7日までに参詣することを一般的に差しますが、お寺に行っても、神社に行っても構いません。
いつも、初詣をする神社やお寺が決まっているという方にとっては、このような事を悩むこともないかとは思いますが、そもそも、仏様も神様も、そのような事でとやかくいう器量の狭いことはなさらないのです。
毎年文化庁が実施している宗教統計調査で、神社やお寺の数を公表しています。
この宗教統計調査の平成29年版に基づくと、神社の数は81,158社、寺院の総数は77,256社となっています。
あまりにも多い数値ですので、比べやすい数値として、私たちの生活の身近にあるコンビニエンスストアの全国総数と比べてみましょう。
一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会による、コンビニエンスストア統計データ、2018年10月版によりますと、日本全国のコンビニの店舗数は55,564店となっています。
統廃合されながらも少しずつ店舗数が伸びているコンビニですら、神社とお寺の数にはかなわないのですから、とにかく日本には神社とお寺が多数存在しています。
そのくらい、仏教もしくは神道と身近にあるのが、私たち日本での生活ということになりますね。
ですから、2019年に受験を控えている人は、学業の神様を祀る神社に行ったりするでしょうし、お正月をエンターテイメント性高く、観光的に過ごしたいという方は浅草にある浅草寺に行ったりするとうように、目的別にお参りしても全く構わないのです。
神社の参拝方法
神社に初詣と決めたら、出来れば参拝方法をきちんとこなしてみたいものですよね。
初詣となると人出も多いですから、全て作法通りにできないかもしれませんが、正しい参拝方法を覚えておいて損はありません!
①鳥居のくぐり方
神社と言えば、鳥居ですが、鳥居とは神様の世界と人の世界との境界となる場所になります。
ここでは、神様に敬意を表して一礼をしてくぐりましょう。
参道上に複数の鳥居がある場合には、階段を踏んで神聖な場所に近づいていくという意味があるので、出来れば、一の鳥居からというように順番に一礼をしてくぐっていきましょう。
②参道の歩き方
参道の中央は避けて歩くのが本来の作法です。
これは、初詣の人出では、かなり難しいかもしれませんが・・・。
参道の中央は「正中」といい、神様の通り道とされており、人間はその正中を避けて、左右の端を歩くのが作法とされています。
③水で清める
参拝の前に、手水舎(ちょうずや・てみずや)で手と口を清めましょう。
手水舎は、参拝の前に穢れを流し清める場所です。
まず、柄杓を右手に持ち、左手に水をかけて清めます。
次に左手で柄杓をもち、右手に水をかけて清めます。
右手に柄杓を持ち替え、左手にの手のひらに水をとり、口をすすぎます。
この時、柄杓に口をつけてはいけません。
その左手に再度水をかけて清めます。
その後、柄杓を垂直にして残った水を柄杓の柄の方に流し、柄杓を元の位置に戻します。
⓸賽銭の方法
賽銭とは神様に捧げるものですから、投げ入れるのではなく、静かに賽銭箱に腰の位置くらいから入れましょう。
鈴がある場合には、賽銭を入れてから、鈴を鳴らします。
⑤礼の方法
神社で行う礼の方法は「二礼二拍手一礼」となります。
まずは、拝殿、本殿に向かって深く二回お辞儀をします。
次に、胸の高さに左手を右手より数センチ高い位置で両手を合わせ、二回拍手をします。
その後、両手の指先を揃え、神様への感謝とご自身の祈願の言葉を唱えます。
最後に、願いを聞いてもらった感謝の気持ちを込めて、深く一回お辞儀をします。
⑥境内から出る時
境内から出る時には、鳥居の場所で本殿に向かって一礼します。
寺院の参拝方法
お寺での参拝方法は、手水舎での清め方は同じですが、少しずつ異なる作法もあります。
①山門のくぐり方
寺院には、山門があります。
山門から中は仏様がいらっしゃる場所になります。
山門の前では、合掌して一礼し、女性は右足から、男性は左足から入ります。
この時、敷居は踏まないようにして、またいで入ります。
②参道の歩き方
神社とは異なり、お寺の場合には、参道はどこを通っても構いません。
③水で清める
お寺にも、神社と同じように手水舎がありますので、参拝の前に清めましょう。
ここの
作法は神社と同様です。
まず、柄杓を右手に持ち、左手に水をかけて清めます。
次に左手で柄杓をもち、右手に水をかけて清めます。
右手に柄杓を持ち替え、左手にの手のひらに水をとり、口をすすぎます。
この時、柄杓に口をつけてはいけません。
その左手に再度水をかけて清めます。
その後、柄杓を垂直にして残った水を柄杓の柄の方に流し、柄杓を元の位置に戻します。
⓸常香炉があった場合
お寺によっては、常香炉がある場合があります。
常香とは、仏前に絶やさずたくお香のことで、常香炉とは仏様にお香を供え、その煙を浴びることで心身を清める場のことです。
体の悪いところに煙をつけると治るとも言われています。
煙を体に浴びて、欲や邪念を捨て、清らかな気持ちとなって本堂に進む準備を整えます。
⑤賽銭の方法
お寺での賽銭とは、お布施となります。
欲や執着を捨てるための修行の意味もあります。
ですから、高い位置から投げ入れるのではなく、低めの位置からそっとお賽銭箱に入れるようにしましょう。
お布施をもらって頂いてありがとうございますという感謝の気持ちを込めて入れましょう。
⑥礼の方法
お寺での礼の作法としては、神社での「二礼二拍手一礼」とは異なります。
胸の前で両手を静かに合わせて祈願します。
鈴があった場合には、鈴を三回鳴らして、合掌しましょう。
ご利益を祈願した後に、「南無阿弥陀仏」のように、御本尊の名前の前に「南無」をつけて唱えます。
そして最後に手を合わせたまま、深くお辞儀をします。
⑦お焼香
お焼香出来る場所があった場合には、礼の後にお焼香しましょう。
右手の親指と人差し指、中指の三本の指でお香をつまみ、額の方に掲げます。
この時、左手をそっと添え、そして静かにお香を香炉に落とします。
この動作を何回行うかは宗派によって異なるので、わからない場合には一回のみで大丈夫です。
お香ではなく、お線香がある場合には、近くにロウソクなどがありますから、そこで火をつけます。
この時、息を吹きかけて消すのではなく、手であおいで火を消しましょう。
⑧境内から出る時
最後に山門から境内を出る時、本堂に向かって合掌して一礼をします。
全国初詣人出ランキングって?
神社とお寺の違いや、参拝作法がわかったところで、2019年の初詣はどこに行こうと考えている方にとって、やはり初詣ランキングというのは一つの指標になります。
でも、「初詣の人出って、どうやって数えているのだろう?」と疑問をもったりしませんか?
実は、今は調べていないところが多いのだそうです。
以前は神社やお寺などで独自に調べていた事も多かったようなのですが、最近では警察にお任せしているところが大部分だというのです。
それでは警察はなぜそのような人出数のデータが必要かというと、警備の必要性からであり、警察官をどのくらい動員するかという事のためだそうです。
以前に、新聞などで発表されていた初詣人出ランキングは、実は平成21年ごろから発表を取りやめています。
神社仏閣がそれぞれ異なる数え方、例えばカウント方式だったり、一平方メートルあたりの人数かける面積だったりというような方式のデータを警察に提供しているようです。
ですから、共通した方法での人出数のカウントではないですから、単純に比べて順位を決める事が出来る数値ではないのです。
よくある初詣人出ランキングが、ものによっては、順位が異なったりするのは、どうやら、このような背景があるからのようです。
でも、そうはいっても、気になるのがランキングですよね。
2019年初詣の場所を決める指標として、よく出回っているランキングを1位から10位までまとめてみました。
第1位 明治神宮(東京都) 約316万人
第2位 成田山新勝寺(千葉県) 約300万人強
第2位 川崎大師平間寺(神奈川県) 約300万人強
第4位 浅草寺(東京都) 約280~290万人
第5位 伏見稲荷神社(京都府) 約270万人
第6位 鶴岡八幡宮(神奈川県) 約250万人
第7位 住吉大社(大阪府) 約236~239万人
第8位 熱田神宮(愛知県) 約230万人
第9位 武蔵一宮 氷川神社(埼玉県) 約210~215万人
第10位 太宰府天満宮(福岡県) 約200万人
第2位を成田山新勝寺と川崎大師平間寺の両方にしたのは、ランキングによってどちらかが2位だったり3位だったりするのですが、ほぼ同じくらいの人出数なので、二つのお寺に優劣つけず、どちらも2位といたしました。
これが正月三が日の人出という事ですから、とにかく物凄い混雑は予想されますが、地元や近くに住んでいてもまだ行った事のない神社やお寺がこのランキングに入っていたら、混雑回避などをしっかりと事前調査して、2019年、平成最後のお正月に挑戦してみるのも、お正月の楽しみ方の一つになるかもしれません。
気持ちを新たにするためにも、神社とお寺の違い、参拝方法の違いなどを理解して、清々しい2019年の初詣にお出かけしてみませんか?
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