2018年度の大学駅伝では、出雲駅伝、全日本大学駅伝と青山学院大学陸上部が二冠を制し、2019年1月2日、3日の第95回箱根駅伝に向けて、ある意味「一強」とささやかれています。
箱根駅伝第94回大会で4年生だった選手は3人で、そのベテラン4年生が卒業した今も、青学陸上部は、なおも強く、その選手層の厚さを見せつけています。
その中でも今年2年生の吉田圭太選手は、大学駅伝初出場ながらも、出雲駅伝、全日本大学駅伝の二つの駅伝に出場してチームの二冠に貢献しています。
全日本高校駅伝最多優勝高校出身
青学陸上部は、2018年1月2日、3日に開催された、東京箱根間往復大学駅伝競走(通称箱根駅伝)第94回大会で優勝し、四連覇を果たしました。
そして来たる2019年1月の箱根駅伝第95回大会でも、優勝候補ナンバー1として注目されています。
すでに名実ともに大学駅伝の名門である青学陸上部ですから、その部員は全国各地から優秀な選手が集まってきています。
そして吉田圭太選手は、その例に漏れず、高校駅伝の名門校世羅高校の出身です。
<吉田圭太選手のプロフィール>
氏名:吉田圭太(よしだけいた)
生年月日:1998年8月31日
年齢:20歳(2018年12月現在)
出身地:広島県
出身高等学校:広島県立世羅高等学校
身長:172cm
体重:51kg
所属学部:青山学院大学 地球社会共生学部 地球社会共生学科 2年
毎年12月に京都府京都市で行われる全国高等学校駅伝競争大会。
男子は、今年で第69回大会、女子は第30回大会となる歴史ある駅伝大会です。
もちろん、毎年、強豪校がしのぎを削る大会なのですが、吉田圭太選手の出身校である世羅高校は、男子の過去68回の大会の中で9回という最多優勝記録を保持する陸上名門校なのです。
吉田選手も1年生から3年生までの3年間、3回ともこの全国高校駅伝に出場しており、2014年の第65回大会、2015年の第66回大会では、世羅高校の優勝に貢献しています。
3年生の時に出場した全日本高校駅伝2016年第67回大会では、世羅高校は惜しくも7位となり三連覇とはなりませんでしたが、その強さは、全国に轟いている高校です。
この世羅高校陸上競技部は、オリンピック出場選手も輩出しています。
ケニア出身の留学生だった、ビダン・カロキ・ムチリ選手です。
高校から広島の世羅高校に留学したビダン・カロキ選手は、吉田圭太選手と同様、高校1年から3年まで、3年連続全国高校駅伝に出場し、2007年第58回大会から2009年第60回大会まで、3年間連続して区間賞を受賞しました。
世羅高校卒業後は、エスビー食品を経てDeNA所属となり、2012年のロンドンオリンピックではケニア代表として10000メートルを走り、5位となりました。
また、吉田圭太選手が高校時代に、女子陸上部いた向井優香(むかいゆうか)選手は、その活躍により、2015年の全日本高校駅伝では女子陸上部を初優勝に導きました。
向井選手は、世羅高校卒業後、第一生命陸上部に所属し活躍しています。
2018年12月23日開催の全国高校駅伝でも世羅高校は大きく注目されており、取材可能な公開練習や、壮行会なども予定されています。
吉田圭太選手は、とにかく高校生の頃から、駅伝にどっぷりつかった、陸上選手生活を送っていたのですね。
出雲駅伝・全日本大学駅伝勝利の鍵
2018年度の駅伝シーズンにおいて、もちろん、青学陸上部は1月の箱根駅伝五連覇が期待されているのですが、もう一つの大きな目標としては、三大駅伝を制覇し(出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝の三大駅伝制覇)、史上初の2回目の三冠達成があります。
その史上初の快挙を成し遂げるためには、やはり、入念に10月の出雲、11月の全日本大学駅伝を、きっちり決めなくてはいけませんでした。
2年ぶりの3冠達成に向けて、原晋監督が考えたのは、三大駅伝の最初である出雲駅伝に勝つためのスペシャリスト集団を結成することでした。
その名も、「出雲プロジェクト」。
三大駅伝の中で、最も少ない区間数、6区間の中で、原晋監督が出雲を勝つために起用したのが、1区を走った橋詰大慧(はしづめたいせい)選手、5区を走った生方敦也(うぶかたあつや)選手、そして4区を走った吉田圭太選手でした。
2018年2018年10月8日の第30回出雲駅伝では、青山学院大学は、終始トップを維持し、優勝を果たしました。
危なげのない走りを総合的に見せてくれた青学チームでしたが、吉田圭太選手は区間トップになり、しっかりとチームの優勝に貢献しました。
ラストの勝負に強い粘りのある走りのできる吉田圭太選手について、原晋監督は、2018年出雲駅伝を勝つための、出雲プロジェクトのキーだったと語っています。
箱根駅伝で勝つためには、常に新しい風が必要・・・そんな新しい風の担い役の大事なキーマンとして吉田圭太選手は、出雲駅伝で素晴らしい走りを見せてくれたのです。
そして、続く、全日本大学駅伝でもチームの優勝に、着実な走りで貢献しました。
現在では、青学の最大のライバルは東海大学とされているようですが、全日本大学駅伝では序盤は、東海大学がトップとなっていました。
原晋監督がこの時起用したのが、原監督のいう「ダブル吉田」。
5区の吉田祐也選手と、6区の吉田圭太選手のことです。
この5区と6区のダブル吉田が、二人とも区間賞の素晴らしい走りをすることで、じわじわと東海大学との差を縮め、ついには7区では青学がトップに立ち、最終区間の8区でも逃げ切り、全日本大学駅伝を青学が制することが出来たのです。
スピードを磨いてきた吉田圭太選手
吉田圭太選手は、2018年度シーズン、スピードを磨いてきました。
2018年9月8日に開催された全日本インカレ(天皇賜盃 第87回日本学生陸上競技対校選手権大会)の5000メートル決勝では、ケニアからの留学生が一位、二位となった中、日本人として一位、総合三位に入りました。
本日行われました全日本インカレ5000mにおいて、吉田圭太(2年)が日本人トップの3位に輝きました!!
応援ありがとうございました!! pic.twitter.com/vpznkiAL2A— 青学大陸上競技部(長距離ブロック) (@aogaku_rikujyou) 2018年9月8日
一位は桜美林大学のケニアからの留学生、レダマキサイサ選手、二位は同じくケニア出身で日本大学陸上部所属のワンブイ選手でした。
ワンブイ選手の尊敬するアスリートは、世羅高校出身のビダン・カロキ選手だそうですから、もしかしたら、吉田圭太選手とは世羅高校の話になったかもしれません。
この2018年9月の全日本インカレでは、5000メートルで吉田圭太選手が日本人トップ(全体では3位)、10000メートルでは吉田祐也選手が同じく日本人トップ(全体では3位)という結果を残し、話題になりました。
この全日本インカレでの二人の吉田選手の活躍が、11月の全日本大学駅伝のダブル吉田を生み出したのかもしれません。
また、吉田圭太選手は、2018年11月に10000メートルの青学記録を更新し、現在では10000メートル青学記録のトップとなっています。
この最近のタイム更新という活躍を見ても、吉田圭太選手が、箱根駅伝に向けて調子を上げてきているのではないかと大きく期待できそうです。
とうとう、残り1ヶ月を切った2019年1月2日、3日開催の第95回箱根駅伝。
直前になるまで、誰がどの区間を走るのかは確定はしませんが、調子を上げてきていて、なおかつ出雲駅伝と全日本大学駅伝の優勝にも大きく貢献した吉田圭太選手の出場は固いと思われます。
吉田圭太選手の走りが、2019年平成最後の箱根駅伝に、どんな新しい風を呼び込んでくれるのか・・・今からとても楽しみです。
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